銀行の利益構造は「業務粗利益-営業経費=業務純益」という構造からなっています。このうち業務純益が、いわゆる銀行の“儲け”ということになります。
近年、企業の倒産が頻発しそれに伴う不良債権の処理に追われる銀行は“儲け”が減っているのでは?実際決算で大幅な赤字だと聞いたけど…。と思われるかもしれませんが、実際にはそのようなことはありません。むしろ80年代後半に起こったバブル景気の頃よりも業務純益は黒字という銀行も多いです。
では何故決算で赤字が出てしまうか。それは不良債権処理などで本業の利益である業務純益を使わざるを得ないからです。 現在の利益、という目で見ると銀行は黒字なのです。
業務粗利益の大半を占めているのが、銀行が貸し出したお金の利鞘「資金利益」です。日本より業務純益率が数倍高い欧米の一流行では、この資金利益が邦銀よりも多いのです。欧米に負けず邦銀も経営健全化(= 利益アップ)を!ということは融資の際の金利も上がるということなので、上手くバランスを取るのは難しいことです。