近年銀行は貸し倒れのリスクを減らすため、企業への融資には消極的です。その反面、比較的リスクの少ない国、自治体、特殊法人といった公的部門の債券への投資には積極的になっています。特に国が元本や利子を保証してくれる国債には重きを置いています。
しかし現在、日本国債の格付けはかつてよりも低い位置にランク付けされていて、ムーディーズのランクでは21段階中の4番目「Aa3」となっています。
今や国債もノーリスクとは言えない状況にあります。
日本国債が格下げになると、それをきっかけに国債が暴落する可能性が高くなります。そうなると国債を多く所有する銀行は多大な損害を被ることになります。特に日銀が多額の含み損で大きな損失を受けると、日本の金融システムは崩壊してしまいます。
2002年に日本国債のランクが6番目のA2にされたとき、財務省がムーディーズに抗議文を送ったのも納得です。